
前回は成功報酬型求人サイトのデメリットを考察してみましたが、では実際に求人広告を出稿する場合、掲載課金型と成功報酬型(応募課金・採用課金)ではどちらが良いのでしょうか。どちらのモデルであってもメリットデメリットはあると思いますので、今回は求人業界の現場をよく知る営業代理店の営業マンの方に詳しく聞いてみました。
実際にお客様におすすめしている使い方や、理由についてお伺いしてみました。※この代理店営業マンの方は以前、「効果のあるアルバイト求人媒体はどれ?ランキングから代理店営業マンにおすすめを聞いてみた!」の記事でもお話を伺った方です。
数を集めたい場合、急いで採用したい場合は掲載課金型に利があり
――いきなりですが、掲載課金と成功報酬のどっちが良いですか?
まず応募数を多く集めたい場合や、急ぎで採用する必要がある場合は掲載課金型の求人サイトの方が有利です。ゆっくり費用を抑えながら募集したい場合は成功報酬型です。ここのポイントでどちらを選ぶか選択する必要があると思います。
多店舗展開で多くの求人を継続して集める必要がある場合や、新規店舗の開店などである期日までにスタッフを多く集める必要がある場合などでは迷わず掲載課金型をおすすめします。個人店や中小規模の企業などで採用スタッフは数名の場合、予算をあまりかけたくないがそこまで急ぎではない場合などは成功報酬型もしくは、成功報酬型と掲載課金型の併用をおすすめしています。
掲載課金型の求人サイトと成功報酬型の求人サイトで比較すると課金システムの構造上、どうしても掲載課金型の方が集客面で有利になります。
掲載課金型は掲載時に費用をいただきますので、応募が・採用に至らなくてもサイト側に売り上げが発生します。ですが成功報酬型では、成果(応募・採用)に至らない場合は売り上げが発生しません。
掲載課金型は成果に関係なく売り上げを確保できるため、その原資で広告を多く打つことができます。逆に成功報酬型では、成果が発生したときにしか売り上げとならないため広告を打つ費用を捻出するのが難しくなります。
アルバイトサイトの大手、タウンワーク、バイトル、an、マイナビバイトなどはどこも掲載課金型がメインです。これらのサイトの年間の広告予算は圧倒的で、テレビCMも有名人を起用し、大量に流すことができています。WEB広告でも同様でリスティングや、indeedなどの媒体向け広告でも費用を多く投下できます。
逆に成功報酬型の求人サイトでは広告を大量に打つような施策をとれているところはあまりありません。
こういった理由があるため、成功報酬型のサイトは掲載課金型のサイトにどうしても集客面で劣ってしまいます。
(あくまでも傾向としてのお話です。成功報酬型の媒体のなかでも企業努力によって広告費を別から捻出し、掲載課金型と同等に広告集客できているサイトもあります。)
掲載課金型を使う場合のおすすめは?
――では掲載課金が集客面で有利なことはわかりましたが、掲載型のなかではどのサイトを選ぶのが良いのでしょうか?
掲載課金型を使うのであれば、広告予算を多く投下しているサイトを選ぶのが一番効果的だと思います。現在ではタウンワーク、バイトルをおすすめしています。
これは私の主観になるかわかりませんが。タウンワークは日本の求人市場で一番力のある企業のリクルート社が運営していますが、そのなかでもタウンワークに一番力を入れています。リクルート社はアルバイト領域で別に『フロムエー』、正社員領域では『はたらこねっと』や『とらばーゆ』も販売していますが、全国の営業マンや代理店にはタウンワークを売るように働きかけています。そのためタウンワークが必然的に一番求人数を集めますので、利用者の集客面でも圧倒的な差ができています。
バイトルはこちらも一部上場企業のディップ社が運営していますが、ディップ社はバイトルがメイン事業で集中して予算も人員も多く投下しています。ほかの求人サイトは正社員転職がメインであったりと、別サイトに力が分散してしまいがちですが、ディップ社はバイトルに一点集中して予算をかけている印象です。
ほかの掲載課金の媒体と比較してもこの2サイトは集客面で差があると感じています。
――anやマイナビバイトも有名ですがこちらはいかかでしょうか?
anやマイナビバイトも有名ですが、私のまわりではタウンワーク、バイトルの方が効果があるという声が多いですので、現時点ではやはり少しが差があると感じています。
もちろんエリアや業種、業態ごとにこっちの媒体の方が反響がある、というケースはよくあることですので全体的に可能性の高くなるような媒体をおすすめしています。もし、お客様からマイナビバイトが良いとおっしゃられた場合は、マイナビバイトで同じエリア、同じ業種などの直近の反響状況を確認しながら期待できる効果を検討し、お話させていただいています。
この点は営業代理店としてほとんどの媒体の効果状況を把握できているメリットがありますので、直の媒体営業マンよりも情報は多く持っています。
(筆者補足:代理店営業マンはいろんな媒体を扱っているため、効果の媒体比較ができます。直の営業マンは自分たちの媒体の効果しか把握できないという構造があります。)
――大手以外の媒体はいかかでしょうか?
大手以外になると広告予算も少なくなりますので、集客面でのそこまでの優位な差はなくなると感じています。ですので成功報酬型をまずは検討いただくのをおすすめしています。ただ特定地域に強い媒体、特定業種に強い媒体というのもあります。
(筆者感想:タウンワーク、バイトルあたり以外は集客力に圧倒的な差がないと感じました。)
成功報酬型を使う場合のおすすめは?
――では成功報酬型のなかではどのサイトを選ぶのが良いのでしょうか?
成功報酬型の求人サイトでおすすめしているのは、マッハバイトとしゅふJOBパート、シフトワークス、マイベストジョブになります。成功報酬型は掲載自体は無料ですので始めやすいですが、掲載しても反響がない媒体に載せても運用コストがかかってしまいますので、効果が期待できる媒体に絞っています。
マッハバイトは成功報酬型を始めたサイトです。運営会社も一部上場企業のリブセンス社です。成功報酬型(採用課金)ですが広告予算もあり、サイト自体の集客力は掲載型に引けを取りません。まず最初に載せるべきサイトです。
大手掲載課金型サイトの広告費との差はありますが、ネットを使っての集客力にかなりの強みがあり媒体のなかでもトップクラスの集客力です。特に若い世代に向けた発信に強く利用者を獲得しています。また成功報酬型をメインにしているなかで唯一の上場企業でもありますので広告予算も比較的捻出できています。掲載型プランもあり、多店舗展開する企業であってもほかの媒体と同様に使うこともできます。
そのほか広告集客の面では劣りますが、パート募集だとしゅふJOBパート、シニア中高年層であればシフトワークスが応募がとれます。選択肢としてはありです。
また採用課金であればマッハバイトとあわせてマイベストジョブは効果ありです。マイベストジョブは電通が運営に携わっており、大手メディア(ラジオ局・新聞社)とも広報協力しています。関東圏ではラジオ局のJ-WAVEが毎日かなりの量のCMを流していますので認知度も高いです。ラジオを聞く人であれば一度は聞いたことがあるサイトだと思います。
――では成功報酬型のなかでは採用課金と応募課金のどちらが良いのでしょうか?
傾向としては採用率が高いお店では応募課金が安くなります。(採用率⇒応募に対して採用する人数が多い)応募課金ではだいたい5、6応募で1人採用できれば採用課金と変わらない費用になるような料金体系をとっていることが多いです。5、6応募で1人採用できない場合は採用課金の方が安くなります。サイトごとに料金が違いますので細かくみていく必要はあります。
応募課金・採用課金の両方プランにあるところもあります。
結局どっちを使うべき?
――それでは結局どっちを使えば良いのでしょうか?
急いで採用したい場合や、多く採用したい場合は掲載課金型のタウンワークかバイトル、もしくはどちらもすることをおすすめします。もし、採用までにある程度期間をとれるのであれば、成功報酬型のサイトをいくつか始めるのをおすすめします。成功報酬型のサイトで応募効果をみて反響が少なければ掲載型も始めるという形がリスクを抑えられます。
掲載課金はまったく応募がなくても費用が発生してしまうリスクがどうしてもあります。タウンワーク、バイトルで掲載して1件も応募がないというのもよくあります。このリスクをやはり避けたいですので成功報酬型も併せて使うのがベストです。
最後に繰り返しになりますが、成功報酬型は広告予算や広告以外の集客方法を別途持っていないと掲載課金型に劣ってしまいます。掲載費は無料だからといって集客できない媒体に載せるのは運用コストもかかりますので、今回紹介したサイトのように実際に応募効果のあるサイトの中から検討することをおすすめします。
代理店営業マンに聞いた実際に掲載すべきサイトはこちら↓